昨日の午後1時から3時までNHKTVが放映した国会中継を見た。 自民党の谷垣総裁の代表質問は相変わらず聞いていて眠気を催す内容だったが、次に質問に立った自民党無所属の会稲田朋美議員の質問には思わず拍手喝采してしまった。 女性特有のヒステリックな言葉が時折混じっていたのはご愛嬌だが、内容は多くの国民が言いたくてうずうずしていたであろう事柄ばかりだったので、この中継を見ていた人はきっと溜飲を下げたことだろう。 ただ、官僚の作成した原稿を棒読みせず首相自身の答弁を、と再三要求したにも拘わらず、原稿を棒読みし続けた菅首相の答弁を聞いて、再びガッカリしたにちがいない。
今日本の政治的経済的環境は極めて危うい状況であることは一般常識人なら肌身でひしひしと感じられる筈だが、どうも与党である民主党議員には、鈍感なのか無関心なのか何ら危機感が見えない。
日本と周辺諸国の間で今起きている問題は、なにも尖閣諸島の領土問題だけではない。谷垣総裁の質問中に惰眠をむさぼっていた老いぼれ議員やひよこ議員がせっかく眼をパッチリ開けて聞き入った稲田議員の質問だっただけに、少なくともあと2つ質問を加えて欲しかった。
一つは、9月1日に一寸触れたロシアの動向である。 中国の胡主席とロシアのメドベージェフ大統領はここ数ヶ月の間に5度も会談しているらしい。 しかも、メドベージェフの方から訪中しての会談だ。9月27日の5度目の会談の後、北方領土訪問を口にした。 中国と日本に対する今後の出方に関する重大な密約が交わされたと見るべきだ。 つまり、尖閣諸島は中国のもの、北方4島はロシアのもの、とお互いが了承し確認しあったとしか考えられない。日本を南北から挟み撃ちにしようというものだ。
所が、それにもう一国、俺も入れてくれ、と頭を出してきている国がある。 それが2つ目の質問にして欲しかった事だが、もうかなり前から韓国が日本海という名称を東海か朝鮮海とするよう世界各国に働きかけていたが、政府筋や国連筋では埒が明かないとわかり、矛先を社会的経済的影響の強い地図印刷会社や教育出版会社に対して運動を繰り広げた結果、彼等が韓国の主張を受け入れ、出版した地図や文献に日本海(東海)と連名で記しているようだ。
この二つの由々しき事態を果たして日本国民の如何ほどが知っているだろうか。 それだけに、稲田議員には是非にもこのチャンスに採り上げて欲しかった。
日本はどうしてこんなにも情けない外交国家になってしまったのだろうか。 それは偏に国民全体の国家意識の欠如、危機意識の欠如、そして異常なまでの国際感覚の乏しさに尽きる。 その意味では正しく江戸幕末時代に似ている。
江戸幕府が、アメリカ、イギリス、ロシア、オランダ、スペイン、などなどから開国を迫られるなか、ロシアだけは色々な策を弄して土地の割譲(北海道)を要求してきている。 更に、第二次大戦の時も、広島長崎に原爆が落とされ日本の降伏が真近に迫った8月9日に日本に宣戦布告し、日本が無条件降伏を宣言した8月15日後も日本に攻撃をし続け、9月2日になってようやく銃を収めたのは、何としても津軽海峡以北をロシア領土にしたかったからだ。 ロシアは未だ果たせないその欲望を満たそうと執拗に策を労し続けている。
これから20年後のことを想定する時、もしこのままの不毛の外交政治形態が続いたら、米国の出る幕は無くなり、津軽海峡以北は第二次大戦後の要求どおりロシアの領土、沖縄諸島以南は中国領土となり、日本海は東朝鮮海(例えば東シナ(China)海に倣って)になっているだろう。 
更に20年30年後には、中国が「元」の時代に成しえなかった、朝鮮半島を含む日本全土の中国併呑が現実化する可能性もある。その時日本国は消滅し、新たに中国の日本省になる。
民主党政権の存続が長くなればなるほどその可能性は高くなる。その理由を挙げれば多すぎてきりがなくなるが、大きな理由を挙げるとすれば、先ず小沢一郎元幹事長の600名を引き連れた訪中。インドのシン首相との会談をドタキャンした国際感覚ゼロながら宰相でもある鳩山さえも恐れ続け国会のドンと言われている小沢のその小物振りが暴かれた瞬間だった。中国側は、日本組みし易し!とガゼン色めきたった事だろう。 同時に宰相でもあった鳩山の評価も地すべりの如く崩落してしまった。普天間問題で鳩山が日米間でギクシャクしてしまっている理由も確認されてしまった訳だ。 
次は、菅首相の、中国に続き韓国に対しても「謝罪」表明したことだ。日本人は「謝れば何でも許してもらえる」という甘えを常時も根底に持っている。何十年と口をすっぱくして言い続けているが、それは日本人に対してのみ通用する風習だということを肝に銘じておくことだ。それを、一国の宰相たる人間が堂々と謝罪を繰り返すのだから国民はたまったものではない。日本人は世界中何処を歩いても、すみません、すみません、と謝り続けなければならない民俗になりさがってしまう。
更に追い討ちを掛けたのが、菅内閣全員の靖国神社不参拝。彼らは日本のトップにあっても日本を視ていない。日本を守ってくれている米国に対して、対等だ!と不遜な態度を見せる反面、中国、韓国には常時もビクビクしてしまっている。日本を世界の侵略から守るために江戸幕府大政奉還させ政権を奪取した薩長土肥の革命児たちとは180度違うので、彼ら精鋭が眠っている靖国には恥ずかしくて参拝が出来ないのであろう。
そんな民主党を支持する国民が大多数ならば、それも民意か。こんな時は革命児が突如出現するものだが、そんな兆しは今の所見当たらない。