私は日本経済新聞の人気コラム「私の履歴書」の熱烈なファンである。子供の頃に日本や世界の偉人伝を読んでは、いつか自分も偉くなりたいと心弾んだものだが、今でも私の履歴書に登場する人物一人ひとりの生き様や独特のキャラクターにわくわくさせられる。
12月1日から始まったこのコラムに凄い人物が登場した。
元米国防長官のウイリアム・J・ペリー(William J. Perry)氏である。
何と、彼は江戸幕末(1853年7月)に浦賀に渡来した「黒船」東インド艦隊艦船の指揮官、ペリー提督の遠縁にあたる、海軍一族として有名を馳せたペリー家の末裔との事。
それだけではない。 ペリー提督は浦賀に来航する前の1852年に琉球王朝に対して強引に開国を迫ってるが、それから95年後の1947年に、彼は米陸軍技官として沖縄を訪問、更に1996年に米国防長官として沖縄米軍・普天間基地の返還を決断した人物である。
日本は今、社会党くずれの、国家を国家とも思わぬ輩や、世間知らずのお坊ちゃま、果ては皇室にさえも非礼を平気で働く言語道断の輩が混じりあった民主党によって中国かロシアの餌食になるかならないかの危うい状態にある。
朝鮮半島は遥か神代の昔から日本にとって地政学上極めて重要な位置にある。 つまり、もし朝鮮半島がロシアか中国に支配されたら、日本にとって脅威が目の前に迫ってくることになる。 勿論、韓国にとっても、もし日本が自国よりも先に中国やロシアに支配されたら、完全に袋のねずみとなる。 米国がそれを容認する筈はないが、日本は敵に対して防衛は出来るが攻撃はできない状態にある。 攻撃は最大の防御なのにである。
古来から、常に中国からの侵略に怯え、日本の占領に屈し、また近代ではロシアからの侵攻があり、また内戦の末、朝鮮半島が二つに分断された悲しい歴史があるが故に韓国の殆どの人々は国家存亡の危機意識を常に持っているが、敗戦後65年を経てどっぷりと米国の愚民政策に浸ってだらだらと毎日を過ごすばかりで、全くと言っていいほど危機意識を持たない圧倒的多数の国民を抱える今の日本は、正に黒船来航前の惰眠をむさぼっていた江戸末期に似ていると言える。
その意味では、日本経済新聞社私の履歴書でベリー元米国防長官を選んだのは、まっこと絶妙のタイミングと賞賛したい。
そのペリー元長官が2日目の昨日早々と、日本政府に対して極めて貴重で重要な提言をした。
当然ながら、その提言は日本経済新聞の一面トップにも載り、編集委員が6面にも大きく解説記事を載せたが、何故かNHKは一切ニュースとして採り上げず、民放各局はどこもくだらない海老蔵のスキャンダルばかりをだらだらぐたぐたと飽きもせず採り上げているばかりだ。いつもながら、国家の危機意識など芥子粒ほども持ち合わせていない日本のマスコミのレベルの低さを痛感せずにはいられない。
いずれにしろ、ペリー元長官の「私の履歴書」は今月末まで掲載される。今後どんな爆弾発言があるかも知れないので日本政府も国民もここは真剣に耳目を注ぐべきであろう。
私も今後の成り行きに大いに注目しつつ彼の履歴書を拝読したい。