台風9号が北海道から去った。

此度の台風は癖の悪い台風だった。 八丈島を直撃し、そのまま北上して伊豆に上陸し、関東から東北地方の山脈の峰を串刺しするが如く貫いて北海道に抜けた為、日本海側にも太平洋側にも大被害をもたらした。

我が家も、ものすごい暴風と雨戸をたたきつける豪雨の音が終夜続いたため寝不足になり、事前対策を立てていた庭の植木鉢や地植えの草花は無残なまでにやられてしまった。

蛇腹式開閉ガレージシャッターの留め金が暴風で外れて道路に大きく張り出しニシキヘビの如くうねって車の通行の邪魔をしていたので慌てて修復した。 台風が去ったのに相変わらず強風が吹き続ける中、家の周りを片付けるのに4時間も費やした。

日本列島は古来より台風の通過道になっているが、地球温暖化の影響でその軌道が少しづつ東に移っているように思える。 今から30年ほど前は、5〜7月にフィリピン沖で発生した台風は、ほぼ間違いなく香港や中国大陸に上陸していて、8月〜9月頃に発生したものが沖縄、九州を通過して韓国、北朝鮮に上陸したり、九州から日本海に抜けて東北地方に再上陸したりしていたので、関東地方を襲うのは珍しかった。

しかし、10年ほど前から、香港に上陸する事はなくなり、沖縄から九州に上陸して、たまに韓国に抜けたりするのもあるが、多くは九州から中国・四国地方を縦断し、近畿や新潟を襲うようになり、更には今回のように東海地方や関東地方を目指して北上する台風が目立ち始めた。

今後、年を重ねるごとにその傾向は強くなると思う。 日本は徐々に亜熱帯化しており、東京よりも山形や秋田のほうが最高気温が高い日が増え続けているのはなんとも不気味だ。

この夏、猛暑が続く東京から逃れて少しでも涼しい所で避暑しようと北海道に渡った人が、東京と変わらぬ35度を経験して悲鳴を上げて再び東京に舞い戻ったと語っていたが、例年22〜23度までしか上がらない北海道がまさか35度を記録するとは夢にも思わなかったそうだ。

今年はラニーニャ現象のせいで残暑が10月も続き、その為に秋が短くすぐに冬になりそうだ、との長期予報がでている。 そうなると、台風は10月になっても関東地方を襲う可能性が十分ある。 更に気になるのは、殆どの台風が猛烈な雨を伴っている点で、川の氾濫や土砂崩れがあちこちで起こりそうな事だ。