安倍首相辞任の記者会見をNHKテレビで見た。 

かなりやつれた表情で体も細って見えたが、話す言葉にも全く力がなかった。 記者の質問にも、時折中を睨んだり下を向いたりして、的を得ていないような答弁が多かった。
辞任の最大の理由は、民主党の小沢代表に党首会談を申し込んだが断られたから、との弁明だったが、それは体のいい口実で、本当はもうこれ以上首相として仕事するのが嫌になっただけにすぎないと思う。

品行方正で、聡明で、言動も優雅で、ルックスも良い人だが、あまりにも無防備だったのか、毒も薬も持ち合わせがなかったのか、敵にも味方にもマスコミにも徹底攻撃されて身も心もずたずたに傷つけられていたようだ。 矢張り案じていた通り「育ちの良いお坊ちゃま」には「首相」の二文字は一寸重すぎたようだ。

それにしても日本の一部のマスコミはたちが悪い。 これほどまでに傍若無人な振る舞いをしても会社も誰も何の罪にも問われないのだからやりたい放題で、それを阻止する術は今の所たった一つしかない。 尤も、その一つこそが二つとない最良の術だが。

政治家は誰一人としてマスコミを敵に回すようなことはしないよう細心の注意を払っている。 何故なら、どのマスコミも国会議員全員の生い立ちや過去の行状暦をしらみつぶしに探り回って裏を取り未公開データとして保管していることを知っているからだ。そして、その気になればいつでもそのデータを公開し、例えば5万円程度のばかばかしいミスでも、それがさも何億円にも匹敵するような大げさな事件として取り上げられる事を常に恐れている。 いや、怯えているかもしれない。

しかし、それでも口下手な議員や脇が甘い議員、或いは罠に嵌まり易い議員は格好の餌食となる。 それがまんまと図に当たれば、世間は騒ぎ、新聞やテレビは賑わい、当然の事ながら、マスコミは益々天狗になり、自分たちが国民をコントロールしているような錯覚に陥るが、どっこい国民もそんなマスコミに踊らされるような愚か者ばかりではない。

その確たる証拠が、国民の圧倒的支持の下で任務を見事に全うした小泉純一郎前首相のケースだ。 彼の任期中にマスコミは何とか彼の牙城を壊そうと色々な罠や陰謀を企てたが、国民の圧倒的な支持を得ている彼を下手に攻撃すると、逆に国民から猛反撃を受け購買者が激減することにもなりかねないので、遠慮がちな攻撃に終始した為、殆どの閣僚が安泰だった。 

そんな中、相変わらず小泉攻撃を続けた某新聞社は彼の任期中に購買者が激減し、焦った勧誘員が強引な手法で購買勧誘を繰り返し購買停止者との間でいざこざを起こす事件が多発し、今もその後遺症が続いていると聞いている。

まだまだ日本国民の良識は捨てたものではないので、各政治家は、マスコミ対策ばかりにエネルギーを浪費せず、沢山の地元民や国民に愛されるような政治に全力を注いで欲しいものだ。