今日の朝刊に政府広報あしたのニッポン」第3号が挟まれていた。
ねんきん特別便」のお知らせと題したこの広報は、「あなたの年金記録の確認をお願いいたします」の見出しで、舛添厚生労働大臣のお詫びの言葉で始まっていた。
私は昭和35年4月から今年の6月に退社するまでずっと厚生年金を払い続けてきた。昭和39年に転職した経験があるが3月に社保庁に出向いてチェックした所、過去のデータが正確に残っていたので私は過去が不明な5000万人の中には入っていない。
私への社保庁の担当者の対応や説明は見事の一言に尽きた。最優良点を差し上げたい。
どこの省庁でも言えることだろうが、現場の人達は本当に一生懸命やっている。防衛庁の例を見れば一目瞭然、一部の上層部がとんでもない勘違いをして省庁全体のイメージを悪くしている例は枚挙に暇がない。
ここに来て、舛添大臣が窮地に立たされている。彼の「ここまでひどいとは想像だにしていなかった」と苦渋に満ちた声での釈明に対し、野党から厳しい批判が相次いでいる。
厚生大臣の椅子は今迄は他の省から比べてかなりマイナーな存在で歴代大臣も余り苦労せずに任務を全うできたが、ここに来て長い間怠けていたしわ寄せが一挙に噴出してしまった為、省内は氾濫状態となり、それを収拾する為には政府も国民の支持が高くしかも英知溢れる人物を指名しなければならなくなっている。
安倍前首相が白羽の矢を立てたのが舛添大臣で、多くの国民は彼を歓迎し、彼はその期待にこたえるべく必死に頑張り、福田政権でも続投となった。私が見る限り、いまの与党や民主党の議員に彼を凌ぐ優秀な適任者は存在しない。他の野党議員など論外である。
それだけに、彼にやきもちをやく議員らは、何とか彼に難癖をつけて大臣の椅子から引きずり降ろしてやろう、と色々な策を用いて来ているように思える。
日本の多くの役人は、位が上に行けば行くほど仕事したふりしながら怠けることと威張ることにかけては見事な知恵を出す。そして真面目にやっている若い人間がいれば、村八分にするかじっくりと諭すかして「怠ける」集団に入れる。
舛添大臣はそんな彼らを一寸甘く見てしまったようだ。彼が発破をかければ省内全員必死になって働いてくれるだろうと期待したのだろうが、怠け癖が体の隅々まで染み付いてしまったそんな人間がそんなに早く変身できるはずがない。それどころか、自分たちの意のままにならない目の上のたんこぶ的存在となった舛添大臣を何とか目の前から追い払おうと色々画策をしても不思議ではない。そんな省内のキャリアと野党が陰で組んだらどうなるだろうか。
舛添大臣が公約違反で野党からマスコミから総攻撃を食らったのが私にはどうも腑に落ちない。もともと優秀な頭脳集団だ。今からでも省内全員が一致団結して英知を絞り真剣になってやれば3月末までには出来るのでないかと思うからだ。
先週、民主党社民党の議員が舛添大臣に対し、多くの国民をしらけさせる質問をさも国民全体の声の如く乱発していたが、冗談じゃない。国民だって色々いるが、良識ある大多数の国民は、国会の貴重な時間を何時間も何日もこんな馬鹿馬鹿しい茶番劇の為に浪費させている野党こそ最大の税金の無駄使い集団である、と憤っているのを知って貰いたいものだ。
多くの国民に流石は民主党、と言われたいなら、怠け癖のついたのろまな厚生省内にあって、ありとあらゆる知恵を駆使して孤軍奮闘している舛添大臣に対し、一刻も早く解決出来るように速やかに強力な援軍を送るべきだ。
民主党が政権奪取したい気持ちは良くわかるが、国民の為に必死に頑張っている人を引きずり降ろす事で目的を達成しても後味が悪く、喜びは沸くまい。それどころか、多くの国民は民主党不支持に回るだろう。
今、年金問題は国民最大の関心事だけに、党利党略だけで子供じみた政争を展開するより、与野党挙って厚生省内の大改革、大掃除をして欲しい。そして、マスコミもそんな彼らに徹底した側面支援をして欲しい。一部のマスコミは無責任なきれいごとばかりを並べ立てて国民の支持を得た積もりでいるようだが、こちらはしらけるだけだ。
間違っても、舛添大臣が辞任し、年金問題が更に混迷をきたすような事態にだけはなって欲しくない。