ここ2〜3日、してやったりとあちこちから攻められている。私が風邪で体調を崩しているからだ。
「毎日でれでれ暮らしてるからでしょう」「体がなまってんだよ」「朝から晩まで何もすることがないから風邪が寄ってくるんだよ」「まだ隠居は早いよ、仕事を続けるべきだよ」
どうやら皆さん一寸勘違いしている。確かに会社に行かない分だけ自由に過ごせる時間が増えたように見えるが、どっこいそうは問屋が卸してくれない。 
結論から言えば、私が自由人になることを虎視眈々と手薬煉引いて待っている人々がいたのだ。その第一番目が「妻」。
「あなた、これお願い、あなた、あれお願い、あなた、今度はこれして、あなた、あそこにつれてって、あなた、今度はあそこに行きたい、あなた、あれ買ってきて、あなた、あれ見に行きたい、あなた、あなた、あなた、あなた、Endless・・・・・・」
つまり、一日の半分は何だかんだと家事の手伝いをさせられてしまう毎日で、また、確かにやらなければならないことが沢山あるのも事実なのだ。それを、今迄妻が一人で何とか切り盛りしてきたのだから反論しようもない。
そして、何よりも、私がパソコンを使って長い間せっせと作業しているのが妻には気に入らないらしい。「そんなに長い間座ってて何してるの?」と膨れっ面で様子を見に来る。

在勤中はデスクワークが多かったので、自宅でまでもその延長でパソコンに向かうのは好きではないのだが、より広く情報を収集したり多くの方々とコミュニケーションを取るにはどうしても必要なので、ついパソコンと向き合う時間が長くなってしまうのだ。

他にも色々と計画したり企画していることがあるのだが、妻からさえも「暇人」と決め付けられているのにはいささか閉口している。何しろやりたいこと、やらなくてはならない(と自分で思っている)ことが沢山あるのに、途切れ途切れにリクエストが入るのでどれにも集中できないでいる自分が情けない。
気分転換にと、会員になっているジムに行って日頃より一寸ハードな運動で汗を流しサウナに入りジャグジーに入り、スッキリして帰ってきて、翌日娘を成田空港に送りに行って人ごみの中に暫くいたせいと思うが、翌日から風邪をひいてしまった次第。

団塊の世代が定年を迎え続々と自由人の仲間入りを果たしているが、私と同じような環境に陥り、「こんなはずでは」と戸惑いを感じている方が多数おられるのではないだろうか。