建国記念日の昨日、九州某県の物産展があるので何か美味しそうな特産品でも買おうかとふらりと地元のデパートに出かけたが、不況だから余り混まないだろうと予測したのが大失敗の始まりだった。
道路は大渋滞で普通なら自宅から20分程度で到達する駐車場までに1時間以上もかかってしまった。 駅周辺は車だけでなく、人、人、人、の大洪水。 こんな田舎の何処にこれほどの人が住んでいるのかと思うほどの混雑振りだ。
やっと駐車できて、物産展会場に到達してみて更に驚いてしまった。 会場は人で殆ど身動きが取れない。 満員電車に押し込まれた感じで、とても商品などゆっくり見るゆとりなどない。 兎に角もみくちゃ状態だ。 売る方も大汗かいて奮闘しているが、午後1時頃とは言え、あちこちで売り切れの品が続出の状態だ。 
敢えて言うが、宮崎県の物産展ではない。 15分ほど奮戦したが、買いたいと思った品が買えたのはたった2品。 しかも、そのうち1品は売り切れ前の最後の1品だったので隣の人に危うく横取りされそうになって手に入れた品だ。 目ぼしい品の売り場前は何処も行列。 流石にくたびれてしまってもう買う意欲をなくしてしまった。
それでは、とデパートの中を散策してみると、あっちでもこっちでも大勢の客が品定めしている。 20%〜50%の割引セールを目当てに来店しているのだろう。 各売り場も店員が大忙しで客と応対している。
駅を挟んだ別のデパートに行ってみても状況はさほど変わりなかった。 こちらのデパートはより高級な品揃えで対抗しているのだが、それでも大変な人出で賑わっていた。
天気が良かったからだろうか。 休みが1日だけだったから遠出を避けて近くのデパートにでも出かけようと思った人が多かったからだろうか。 それとも今が割引セールの終わりで買い時と思ったからだろうか。
いずれにしろ、街は活気で満ち溢れていて、とても大不況の真っ只中とは信じられない光景だった。
確かに、超高級品は買い控えられているかもしれない。 でも我々庶民の購買意意欲は決して衰えていない。 ただ、お金の使い方に頭を良く使うようになってきていることは確かだ。 此度はそれが実感できた。
これから伸びる企業は、こうした庶民を充分満足させられる商品を持ち合わせた企業だろう。
机に向かって難しい本を開いてばかりいるお偉方も、たまにはお忍びで街に繰り出して、パワフルな庶民感覚に接することをお勧めしたい。 そうすれば、綺麗ごとやお為ごかししかニュースにしない一部のマスコミなどに便乗して絵空事を繰り返す己の愚を知る事が出来よう。