長男が小学生になりたての頃、心配そうな顔で母親にこう告げたらしい。
「お母さん、お父さん女のひとの本たくさん読んでるみたいだよ・・・」
家内が「ほんと? ど〜れ一緒に見てみようか?」と書斎に行って「どこ?」と聞いたところ、「ほら、ここにいっぱいあるよ」と指差した書棚の場所にはまぎれも無く「子」の字がつくタイトルの本がずらりと並んでいたが、それは女のひとの本ではなかった。
子供ながらに母と父の仲が悪くなるのを心配しての告げ口だったようで、家内がその晩笑いながら教えてくれたのを思い出した。
本のタイトルは「孔子」「孟子」「荀子」「韓非子」「荘子」「老子」「孫子」などだったが、「子」しか読めない子供には皆な女のひとの名前にしか思えなかったのだろう。
家を全面改装した時にかなり処分したとはいえ、私の書棚にはまだ中国古典関係の本がずらりと並んでいる。 若かりし頃は「四書五経」をはじめ、「史記」「三国志」「水滸伝」「十八史略」「春秋左氏伝」「戦国策」から「唐詩選」などなどを夢中になって読み書き復誦し、中国古典の奥深さを知れば知るほど毛沢東支配の中国と言うベールに包まれた国に興味を持ったものだった。 
そして、1964年に華僑財閥の貿易商社に入社し、「紅衛兵」が乱入して巻き起こした暴動が沈静化に向かっていた1968年5月から1972年5月までの4年間、駐在員として香港に滞在し、2007年6月にリタイアするまで主に中国人、ユダヤ人、インド人を相手に仕事をしてきたが、その間に培われた私の精神構造はかなり一般の日本人からかけ離れているように思われている。
海外では「あなたが日本人とは信じられない、とてもそうは思えない」と多くの人に言われて来ている。確かにそう思われても仕方が無いのかもしれない。なぜなら、私は誰にも負けないくらい日本人としての、大和民族としての誇りを持ち続けて常に外国人と接し続けてきたつもりだから、何時も腰を低くしてぺこぺこしながら優しく接してくる日本人を見慣れている外国人には、とても同じ日本人とは思えないのだろう。
最近の日本の外交は、正にダッチロール的で極めて危険だ。 そんな中、民主党外交政策で私が唯一、此れは大ヒットだ!と叫んだのは、岡田前外務大臣が中国大使に元伊藤忠丹羽宇一郎氏を任命したこと、そしてギリシャ大使に元野村HDの戸田博史氏を任命したことだ。民間から厳選されたこのお二人は外務官僚の10倍20倍の働きをされることと大いに期待している。 丹羽大使は「中国にいる限り、一瞬時もホッとしていられない。」とコメントしているが、彼の正直な気持ちだろう。
しかし、彼らの働きも、本家本元の日本政府の腰がふらふらしていては何ら成果が上がらないであろう。 そんなことはあってはならないが、もし日本政府が、中国との外交問題で失策した時に、丹羽大使に責任を転嫁したり、中国に対してビクビクしているばかりで浅学な一部マスコミがその尻馬に乗って丹羽大使更迭などとほざくようなことがあれば、それこそ中国のシナリオ通りとなり日本の悲劇(それとも喜劇か)となる。
丹羽大使の有能さが中国側に認識されればされるほどその危険度は高くなるので、日本政府としてはマスコミも含め国民もしっかりとその点を認識する必要がある。
幾多の古典を読んで得た結論はこうである。「太古の昔から中国にこれほど立派な思想家が排出し続けたのは、いかに中国民族が根本的に秩序も社会性も、ルールも、協調性も持ち合わせていないかの証だ。」つまり、「悪がはびこればはびこるほどそれを諌めようとする言葉が磨かれ、結果として名言金言が生まれたという訳」なのだ。
河添恵子著、「中国人の世界乗っ取り計画」(産経新聞社)という本がある。 天安門事件の後に中国の将来に失望して来日し、今は日本に帰化している石平(せきへい)氏の著書、「謀略家たちの中国ー中国4千年の悲哀」(PHP研究所)と言う本と併せて読めば、今後の中国外交、対中国ビジネスや中国人との付き合い方に少しは役立つかも知れない。 

昨日の午後1時から3時までNHKTVが放映した国会中継を見た。 自民党の谷垣総裁の代表質問は相変わらず聞いていて眠気を催す内容だったが、次に質問に立った自民党無所属の会稲田朋美議員の質問には思わず拍手喝采してしまった。 女性特有のヒステリックな言葉が時折混じっていたのはご愛嬌だが、内容は多くの国民が言いたくてうずうずしていたであろう事柄ばかりだったので、この中継を見ていた人はきっと溜飲を下げたことだろう。 ただ、官僚の作成した原稿を棒読みせず首相自身の答弁を、と再三要求したにも拘わらず、原稿を棒読みし続けた菅首相の答弁を聞いて、再びガッカリしたにちがいない。
今日本の政治的経済的環境は極めて危うい状況であることは一般常識人なら肌身でひしひしと感じられる筈だが、どうも与党である民主党議員には、鈍感なのか無関心なのか何ら危機感が見えない。
日本と周辺諸国の間で今起きている問題は、なにも尖閣諸島の領土問題だけではない。谷垣総裁の質問中に惰眠をむさぼっていた老いぼれ議員やひよこ議員がせっかく眼をパッチリ開けて聞き入った稲田議員の質問だっただけに、少なくともあと2つ質問を加えて欲しかった。
一つは、9月1日に一寸触れたロシアの動向である。 中国の胡主席とロシアのメドベージェフ大統領はここ数ヶ月の間に5度も会談しているらしい。 しかも、メドベージェフの方から訪中しての会談だ。9月27日の5度目の会談の後、北方領土訪問を口にした。 中国と日本に対する今後の出方に関する重大な密約が交わされたと見るべきだ。 つまり、尖閣諸島は中国のもの、北方4島はロシアのもの、とお互いが了承し確認しあったとしか考えられない。日本を南北から挟み撃ちにしようというものだ。
所が、それにもう一国、俺も入れてくれ、と頭を出してきている国がある。 それが2つ目の質問にして欲しかった事だが、もうかなり前から韓国が日本海という名称を東海か朝鮮海とするよう世界各国に働きかけていたが、政府筋や国連筋では埒が明かないとわかり、矛先を社会的経済的影響の強い地図印刷会社や教育出版会社に対して運動を繰り広げた結果、彼等が韓国の主張を受け入れ、出版した地図や文献に日本海(東海)と連名で記しているようだ。
この二つの由々しき事態を果たして日本国民の如何ほどが知っているだろうか。 それだけに、稲田議員には是非にもこのチャンスに採り上げて欲しかった。
日本はどうしてこんなにも情けない外交国家になってしまったのだろうか。 それは偏に国民全体の国家意識の欠如、危機意識の欠如、そして異常なまでの国際感覚の乏しさに尽きる。 その意味では正しく江戸幕末時代に似ている。
江戸幕府が、アメリカ、イギリス、ロシア、オランダ、スペイン、などなどから開国を迫られるなか、ロシアだけは色々な策を弄して土地の割譲(北海道)を要求してきている。 更に、第二次大戦の時も、広島長崎に原爆が落とされ日本の降伏が真近に迫った8月9日に日本に宣戦布告し、日本が無条件降伏を宣言した8月15日後も日本に攻撃をし続け、9月2日になってようやく銃を収めたのは、何としても津軽海峡以北をロシア領土にしたかったからだ。 ロシアは未だ果たせないその欲望を満たそうと執拗に策を労し続けている。
これから20年後のことを想定する時、もしこのままの不毛の外交政治形態が続いたら、米国の出る幕は無くなり、津軽海峡以北は第二次大戦後の要求どおりロシアの領土、沖縄諸島以南は中国領土となり、日本海は東朝鮮海(例えば東シナ(China)海に倣って)になっているだろう。 
更に20年30年後には、中国が「元」の時代に成しえなかった、朝鮮半島を含む日本全土の中国併呑が現実化する可能性もある。その時日本国は消滅し、新たに中国の日本省になる。
民主党政権の存続が長くなればなるほどその可能性は高くなる。その理由を挙げれば多すぎてきりがなくなるが、大きな理由を挙げるとすれば、先ず小沢一郎元幹事長の600名を引き連れた訪中。インドのシン首相との会談をドタキャンした国際感覚ゼロながら宰相でもある鳩山さえも恐れ続け国会のドンと言われている小沢のその小物振りが暴かれた瞬間だった。中国側は、日本組みし易し!とガゼン色めきたった事だろう。 同時に宰相でもあった鳩山の評価も地すべりの如く崩落してしまった。普天間問題で鳩山が日米間でギクシャクしてしまっている理由も確認されてしまった訳だ。 
次は、菅首相の、中国に続き韓国に対しても「謝罪」表明したことだ。日本人は「謝れば何でも許してもらえる」という甘えを常時も根底に持っている。何十年と口をすっぱくして言い続けているが、それは日本人に対してのみ通用する風習だということを肝に銘じておくことだ。それを、一国の宰相たる人間が堂々と謝罪を繰り返すのだから国民はたまったものではない。日本人は世界中何処を歩いても、すみません、すみません、と謝り続けなければならない民俗になりさがってしまう。
更に追い討ちを掛けたのが、菅内閣全員の靖国神社不参拝。彼らは日本のトップにあっても日本を視ていない。日本を守ってくれている米国に対して、対等だ!と不遜な態度を見せる反面、中国、韓国には常時もビクビクしてしまっている。日本を世界の侵略から守るために江戸幕府大政奉還させ政権を奪取した薩長土肥の革命児たちとは180度違うので、彼ら精鋭が眠っている靖国には恥ずかしくて参拝が出来ないのであろう。
そんな民主党を支持する国民が大多数ならば、それも民意か。こんな時は革命児が突如出現するものだが、そんな兆しは今の所見当たらない。

ブログを始めたのが今から3年前の今日。 9月1日は私の誕生日だが、同時に関東大震災記念日で二百十日でもある。 例年なら嵐が吹き荒れていても不思議ではないのだが、今年は猛暑をそのまま引きずっている。 そのかわり別の暴風雨が日本中を吹き荒れている。
民主党の代表選は小沢一郎元幹事長の出馬によって事実上菅首相との一騎打ちとなった。 ここ2〜3週間のTVや新聞の報道を見たり読んだりしている限り、TV各局や新聞各社の小沢への風当たりはかなり強い。 だから、善良な一般市民はそれらのTVを見たり記事を読んだりすれば、それを事実と捉え必然的に小沢批判を繰り返すのは当たり前である。
だから、冷静になって、少し斜めになって、もう一度マスコミと向き合い、小沢とは本当にそんなに怪しからん男なのか、なぜ小沢はこんなにマスコミに嫌われるのか、何故こんなに毎日小沢を記事にしたがるのか、報道は何処まで本当でどこまでが憶測なのか、自分はマスコミにマインドコントロールされているのではないか、洗脳されているのではないかと再考し、周囲をもう一度見渡したらきっと違った答が出てくると思う。
もし野党や民主党議員が一連のマスコミ報道だけを信じ、この二人の一騎打ちを、ただの民主党内の権力争いとだけ捉えているとすれば、その人間は国会議員としては失格であろう。 多くのマスコミのいつもながらの視聴者に媚びた稚拙な報道姿勢にはしらけっぱなしだが、視聴者がそれを甘受し続けていたらこの世の中いつまでも前に進まないどころか、逆にどんどん後退していきかねない。

ここ数年、日本の政治は国の内外を問わずかつてない次元の低さを露呈していることは見てのとおりである。それ故、民間人が従来の数倍の努力を余儀なくされている訳だが、民間人ができる事には限界がある。

例えば、第二次世界大戦終結は日本が降伏しラジオから玉音放送が流れた8月15日の正午と世界の殆どが認めているにも拘わらず、65年を過ぎた今頃になってロシアが「第二次大戦終結の日」として9月2日を対日戦勝記念日を制定した。 9月2日としたのはロシア側の一方的な論理であるが、それはとても日本側だけでなく世界的にも絶対に容認しえない事柄であるが、日本政府は全く反応していない。 ただ一人、元外務省主任分析官の佐藤優氏だけがさかんに狼煙を上げてロシアの日本侵攻の危険を知らせているのみだ。だが、彼はもう外務官僚ではない。 ただの民間人だ。 この重大問題に対し、日本政府の反応はゼロ、マスコミの反応も殆ど無い、ただ一社、産経新聞だけが佐藤優氏を介し外交評論家の岡本行夫氏との対談(8月13日)の中で取り上げている。

戦前戦中派のみならず、第二次大戦を勉強している人なら多分忘れもしないだろうが、広島・長崎に原爆が投下され日本が降伏しそうになっていた8月9日になってソ連は突然日本に宣戦布告し満州オホーツク海樺太に侵攻してきた。 そして、降伏宣言した8月15日を過ぎても攻撃の手を休めず、無抵抗に近い日本軍に大打撃を与えたのだ。 その行為を正等化し、北方領土もその成果として認めさせるために改めて終戦日を9月2日に制定したのだろう。

鳩山元首相が先週訪ロしたので、もしかして抗議も含め政治的決着を目指しての旅かと淡い期待をしたのだが、自分の息子の何かの授賞式に出席する為だったと判り、一寸でも期待した自分を恥じてしまった。少し考えれば解ることだがあのLoopyにはありえない話だった。 Loopyという英語の訳をTVや新聞ではお堅い訳をつけていたが、私の和訳は何のことは無い、くるくるぱ〜だ。 Loopは輪っかの事を指すと言えば納得頂けよう。 昔、人差し指を立てて頭のてっぺんを指してくるくると回して言った言葉だ。

そんな人間が、小沢にはビクビクしながら、菅首相には意気高な態度で、何とか穏便に収めようと努力したようだが、とんだ茶番劇だ。 政界を去ると宣言した人間がウロチョロしている姿は皆の嘲笑の的でしかない。

小沢が代表選に出てきたことでマスコミも一段と騒がしくなったが、私の願いは唯一つ、小沢に男になって貰いたい事だ。 小沢が男になれる方法はたった一つしかない。 もしこれが出来なかったら彼は本当にただの「田舎の大将」だ。 彼ならきっとできる、と切に願っている。

それは、代表選に大勝し、民主党の代表になった後に、共産党社民党を除く他の全野党と大連合を成し遂げ、新たな党を立ち上げ、自分の好き嫌いを徹底排除して、日本の為に役立つ本当に有能な人材を選出して内閣を立ち上げ、本当の政治主導を実践してもらうことだ。これしか今の日本を救うう方法はないと思っている。既に、小物の野党議員はそれを察知して恐恐としているかもしれないが、その意味では、代表選後が楽しみだ。

今月12日の日経夕刊と13日の産経朝刊に「志士よ、立ち上がれ」と言うタイトルで、坂本龍馬が運んだとされる、長州藩久坂玄瑞が土佐勤皇党の武市半平太に宛た手紙が80年ぶりに発見されたと報じられた。
記事によれば、その手紙は文久2年(1862)に書かれたもので、内容は「諸大名も公卿も頼りにならず、草莽の志士を集めて立ち上がるしかない。 大義の為ならば、長州藩土佐藩が滅亡しても苦しくない」などと書かれていて、勤皇党や下級武士に決起を促しているとの事。
私は中学2年生の時に学校の図書館で坂本龍馬に出逢い、歴史上で一番尊敬する人物と位置づけ、更には誰が彼を暗殺したかをオレがきっと解明してやる、と意気込み片っ端から関連本や資料を読み漁ったものだった。 しかし、読み漁れば漁るほど、色々な要因が絡み合い複雑になりすぎてしまい、残念ながら未だに自分の中で真犯人は特定出来ていない。
とは言え、お陰で幕末から明治初期にかけての自分なりの日本の歴史観が出来上がったようにも感じるし、その後の自分の生き方に多大な影響を与えてくれたであろうことは今迄の自分の足跡からも窺える。
日本が鎖国から開国へと転換する発端となったのは、ペリー提督率いる黒船来航であることは疑う余地はない。 ペリー艦隊の来航により騒然となる中、天皇を守り外国人を日本から追い払え、と尊皇攘夷論者達が勤皇党を結成して弱腰の江戸幕府に対し政治的圧力をかけた。 久坂玄瑞武市半平太(時代劇映画の主役で、“春雨じゃ濡れていこう”の名台詞で有名だった月形半平太のモデルとも言われる)などはその典型だが、久坂玄瑞蛤御門の変で戦死し、武市半平太は土佐で刑死する。 しかし、彼ら勤皇党の行動を冷ややかに受けとめている別の集団がいた。 彼らと全く逆の開国論者達だ。 彼らは別の意味で外国を恐れていた。 このままでは間違いなく日本は滅びる、という危機感を抱いていた。 彼ら真の開国論者全員の共通点は唯一つ、例外なく世界に目を向けていた人達ばかりだった事だ。
幕末とは言え鎖国政策厳しい中、薩摩藩長州藩からは幕府の許可なく藩命による10代20代の若者の密航者が相次いだが、彼らこそ海外の知識を体中満杯に溜め込んで帰国し命がけで政治改革、文化改革に奔走した、正に明治維新の立役者だった。 
歴史に、たらればは禁物ながら、想定してみたくなるのは人の常、もし坂本龍馬が凶刃に倒れずに明治時代も生き続けていたら、岩崎弥太郎の10倍100倍にも値する正に日本国を代表する政商になっていたかも知れない。 日本が海洋国であることを、くじら塩吹く土佐で感じ取り、勝海舟との出逢いで更に発展させ、長崎で亀山社中を設立した経緯からも、日本を出来るだけ早く開国し世界中を相手に商売して日本を豊な国にしようと世界を股にかけて東奔西走したに違いない。

さてさて今、日本は目を覆いたくなるような政治の幼稚化が進行中であり、首相をはじめ殆どの政治家や官僚が世界からどんどん馬鹿扱いされる日々が続いてる。 正しく日本の政治力も国民の知的レベルも着実に低下して来ている。
そんな中、「志士よ、立ち上がれ」と言わんばかりの「立ち上がれ日本」という新党が結成された。 そして、政党名が公表された途端に、「たそがれ日本」とか「たちがれ日本」とか揶揄された。 マスコミや日本人のこんな捉え方を見て、私は、政党名ではなく、今の日本全体がたそがれている、とつくづく感じている。
石原慎太郎都知事の言を借りるまでもなく、戦前戦中生まれは、日本人として誇りを持ち、日本国をこよなく愛し、そして親兄弟や隣人友達を大切にしながら、政治も仕事も頑張ってきた。 その日本が今危うい状態になってきているのに、若手や中年の政治家は何も感じないのか全く行動しようともせず、何の反応も示さない。 そして、そんな閉塞状態に我慢しきれなくなった憂国の志士がご老体に鞭打って決起するとすかさず上のような揶揄で茶化す。 救いようのない知的レベルの低下だ。
何遍も繰り返すが、金銭感覚のない人、親の恩を感じない人は絶対に人の上に立たせてはいけない! 立たせるからこんな結果を招いてしまうのだ。
松下政経塾の卒業生達よ、何故立ち上がらないのか。 何故卒業生達だけでもいいから先ず結党しないのか。 多くの国民が貴方達が立ち上がるのを今か今かと鶴首して待ち望んでいるのに。 塾を開いた松下幸之助氏も草葉の陰でさぞや歯噛みしている事だろうに。

民主党が政権を担うようになってから今日までの間に通した法案はどれもが首を傾げたくなるようなものばかりだったが、昨日、今世紀最悪とも言える法案がまた一つ通ってしまった。 それなのにマスコミの反応は何故か鈍く、相変わらず普天間の問題ばかりを重視し続けている。
この法の許で育つ今の子供達があと10年20年後に成人になった時の日本の惨状を想像すると誠に暗澹たる気持ちになる。 多分、親を親とも思わず、兄弟仲は悪く、先生を先生とも思わす、修身教育の世界から遥かに遠い感覚の大人が日本を席巻しているに違いない。
親も親だが子も子である。 自分で苦労してお金を稼いだ経験が全く無く、小遣いを毎月1500万円も親から貰い続けて来ても何の感謝も無く、貰ってたことも知らなかったで通せるような金銭感覚の首相であるが故に、何かと理由をつけて国民にどんどんお金をばら撒いて悦に入ることができるのだろう。
首相は、日本人が海外でチップをあげるのに、適正な額も解らず、外貨紙幣の額も解らないまま多額のチップをあげたら、貰った方は口では感謝するが内心では馬鹿にする、という人間心理をご存知なのだろうか。 
それから、首相は人間誰しも只で貰っても、何回か貰ったら必ずその内、もっとくれ、と要求する、無限の欲望を持っていることをご存知なのだろうか。 私がこのブログを書きはじめた日にロンドンの乞食の話を書いたが、イギリスの親は躾の一環としてこんな話を子供が小さい頃から聞かせている。 だが、民主党は正に真逆のことを日本の子を持つ親達にさせようとしている。
私は2人の子供を育てたが、親の手伝いをしたり、何か特別な事が、例えば学校で表彰されたとかが無い限り絶対に小遣いをあげなかった。 何かを買いたくて親から小遣いを貰いたかったら、親の手伝いをするか、勉強に専念して親を喜ばせるような立派な成績をあげることを義務付けた。 自分が努力して得た金なら決して無駄には使わないだろうし、またお金を得ることの難しさも身につけさせる為だし、更には父親が毎日働いて得たお金がどれほど貴重かを感じさせ、同時に親に対して感謝の念を抱かせる為でもあった。
子供達が高校生になってからは、どうしてもお金が入用な申し入れがあった時、必ずその理由を確認し、内容を納得してから、「貸金帳」に年月日、金額、返済予定年を記して本人署名をさせてからお金を渡していた。 要は、けじめの問題である。 
子供達はそれを忠実に守ったし、一切不平は言わなかった。 今、自分の子供達を見て、それが間違っていなかったと自負している。 とは言え、もし私が裕福な中で育ち億単位のお金を所有していたとしたら果たしてこんな躾を実行出来たがどうかは大いに疑問である。 お金とは、事ほど左様に扱いの難しい代物である。

高校授業料無償化法が昨日成立した。 民主、社民、国民新、公明、共産が賛成したそうだが、目先だけにこだわり国民の機嫌を取る為にただひたすら美辞麗句を並べ立てる事しか能の無い、全くビジョンの見えない党ばかりだ。
親が汗水流し必死になって働き得た金で高校に入学させ勉強させてこそ、子供は親に感謝し、親を敬い、将来は立派になって親を楽させてやろうと、一生懸命勉強するのだ。 それを、国がお金を出してしまったら、子供は親に対する感謝の念を喪失するどころか、例えば親が子供に向かって、勉強しろ、とでも言おうものなら、うるせ〜、オレは国のお金で勉強してるんだ、がたがた言うな、と言ったような言葉を返す子供が激増するだろうことは疑う余地がない。
しかし、親子間に大きな変化をもたらすだろうこの悪法案が成立してしまった今、もう手の打ちようがない。 子ども手当法も全く同じ悪法と断じざるを得ない。 日本人が滅びていく、国の借金は増えるばかりで日本国も滅びていく。 ああ、救世主は現れないものか。 聖徳太子よ蘇れ!!  




 

久々にダイヤモンドの話がしたくなった。 切っ掛けは、NHK衛星第一で再放送されたインドのダイヤモンド事情を見たからだ。 

内容は2000以上もの加工場(研磨工場)があるグジラート州から世界有数の国際取引所があるマハラシュトラ州のムンバイ(ボンベイ)を往復する「アンガリア」と呼ばれるダイヤ運搬人のドキュメンタリーだった。

アンガリアとは「信頼できる人」と言う意味らしい。 彼らは依頼人から受け取ったパーセル(袋)の中身がどんな商品でどれだけの価値があるものか全く知らず、知ろうともしないでただひたすら受取人に無事渡すことに専心する飛脚みたいなものだ。

ただ、ダイヤモンドは高価なので、道中誰かに狙われる危険が常時伴う。 その為に、服装は目立たない普段着で常に群集に紛れて移動する。 それでも強盗団にマークされて被害に遭うケースもたまにあるそうだ。 私の知る限り、被害額は被害に遭った本人が全額弁償しなければならない掟になっている筈だ。 

報酬は、危険が伴う割にはたいした金額ではないはずだ。 それでも彼らはダイヤ運搬の仕事を続ける。 そして愚直なまでにそれを繰り返している。 ダイヤモンド加工業者にとっては正に「信頼できる人」たちなのだろう。 

だが、この「信頼できる人」という言葉ほどインド人に当てはまらない言葉は他にないと私はつくづく思う。


私がビジネスでインド人と初めて関りを持ったのは今からほぼ37年前の1973年1月だった。 それから引退するまでの35年もの間、ビジネスでこれほど手を焼いた民族はいない。 世界のタフ商人と称されるユダヤ人も中国人も彼らほどではない。

古い付き合いだから大丈夫だろうと、一寸でも隙を見せれば、間髪おかず隙間に土足で入り込んでくる。 ずうずうしさとしつこさに於いても天下一品だ。 仕事でもプライベートでも何でも、「騙されるほうが悪い、騙されるのは馬鹿」の精神が商売の根底にあるから始末が悪い。  

騙されたと分って怒っても、彼らは平然として哲学的弁明をとうとうと繰り返すだけで、決して怒らない。 結局最後は根負けしてしまうのが常のパターンだ。

ここ十数年の間に世界のダイヤモンド業界の勢力図は大きく変化した。 とにかくインド人のパワーが猛烈な勢いで増大しているのだ。 今まで業界を牛耳ってきたユダヤ人がどんどん隅に追いやられてしまった。 そして今、日本のダイヤモンド取引でどんなことが起こっているのか。

先日、某社の社長からとんでもない話を聞かされた。 最近の話らしいが、彼と長年取引していて私も古くからよく知っているインド人の業者が、「会」でダイヤを特別安く手に入れたので是非社長に買って欲しい、とその商品持参したらしい。 サイズが大小入り混じった数十カラットのロットで、その中の目ぼしいところ5〜6個を確認した所、品質もまあまあ、ロット値段も一般市場価格よりかなり安いと感じたので、即買い付けたらしい。

所が後でそのロットを一個一個サイズ別、品質別に分別した所、何と複数個の偽ダイヤが混入していたことが判明。 すぐにインド人を呼びつけて、偽ダイヤの分だけ返品した由。 持参する前に自分で確認しなかったのかと問い質した所、「会」で買い付けたままの状態で持参したとの事だったが真相は闇の中だ。 その後インド人が「会」に厳重抗議したかどうかは知らないが、もし「会」でそのようなロットが実際に取引されていたとしたら、これは「会」の存亡にも係わる由々しき事態だ。 

インド人が「会」で買い付けたものを、中身も調べずに、アンガリアの如く、そのまま顧客に売りつける所業は、ダイヤ取り扱い業者とはとても言えない。 しかし、そんなインド人が世界のダイヤモンド市場を跋扈しているのが現状だ。

でも、だからと言ってインド人を嫌ったり怖がったりするのは的が外れている。 その前に、先ず自分自身がダイヤモンドビジネスのエキスパートとして恥じない鑑識眼を持つことが先だろう。


 

一体どれほどの日本人が気づいているだろうか。 今民主党が進めている経済、外交、軍事政策は、将来確実に「米国の従属国」から「中国の従属国」にならんとして突き進んでいることを。

昨日、民主党小沢幹事長民主党新人議員143名や経済人など総勢600名を超える人数を引き連れて北京入りした。 どんな貢物を携えて行ったかは不明だが、中国メディアはこの訪中を「朝貢」と受け取ったようだ。

つまり、日本は中国に対し、臣下の礼、従属国の礼をとったのと同じ行動をした、として中国メディアから受け止められた事になる。

中国側が大歓迎してくれた、と小沢幹事長をはじめ新米議員団は大喜びだったようだが、貢物を沢山持って辞を低くして臣下の礼を取って訪ねて来た者を「よく来たよく来た」と迎え入れるのは当たり前の事で、先方はご機嫌の悪いはずが無い。

日本の最高実力者と見做されている小沢幹事長だが、中国に対してこれほど卑屈な態度を見せる反面、米国には冷たい。 ましてやインドに対しては完全無視だ。 私が小沢幹事長の外交手腕に恐ろしさを感じ背筋が寒くなったのは今だけではない。 来日中のインドのシン首相との会談をただ単に旅で疲れたから、とドタキャンした時も同じだった。 この人が日本のリーダーになったら恐ろしい事になる、と密かに危惧したが、それが現実となった今、日本の将来は真っ暗闇に感じてしまう。

何故彼は中国しか眼中にないのだろうか。 色々想定してみたが、思い当たるのは唯一つ、田中角栄が首相当時、周恩来首相と絶妙の外交交渉重ね、見事日中国交回復を実現させた時、田中首相に可愛がられていた彼も功労者の一人だった筈だ。 その時の興奮を、今度は自分が主役で演じたかったのではなかろうか。

普天間基地移転問題で米国を憤慨させているのは鳩山首相はじめ各閣僚の煮え切らない態度を取っているからだが、その根底には、上の様な中国一辺倒の小沢幹事長に対する遠慮があるからではないか、と疑いたくなる。

となると、普天間問題で米国を怒らせてまでも社民党の言うことをきいた風な態度を取ったり、必殺事業仕分け人で台湾出身者である蓮舫議員の「スーパーコンピューターで日本が特に一番にならなくてもいいのでは」と言った言動も、みな中国の従属国になる為のスタンドプレイの一環として解釈したくなってくる。

私が、日本が「中国の従属国」になる事が日本の将来にとってまずいと思うのには理由がある。 それは、自国の強力な軍隊を持たない日本が、あの拙劣な中国の軍隊に守ってもらえるわけがないからだ。 中国の軍隊が弱いのは民族性だから直しようが無い。 兵隊の数なら世界一勝っているかも知れないがその質はおして知るべしだ。 

いい例が、日清戦争だ。 NHKで「坂の上の雲」が始まったが、多分明後日(13日)にはこの日清戦争までドラマが進むだろう。 ご覧頂きたい。 ベトナムとの戦争でもそれが証明された。 今でも将来もその頃とたいして違いは無い。 勿論戦争のない平和な世界が一番だが、世に人間が存在する限り戦争はなくならないのだ。 

私も小沢幹事長同様、英米人よりも中国人の方が遥かに好きだが、だからと言って「従属」する気はさらさら無い。 どうか頼むから、小沢さん、民主党さん、外交を最重視し、くれぐれも日本を危うくしないで頂きたい。